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私の経験をお話しします。
オイルとオイルフィルターにも慣らしは必要です。
箱から取り出したばかりのフィルターは、まだ十分な濾過性能を持っていません。
基本的に紙で構成されているフィルターは、オイルに馴染むまで時間がかかります。
しかもオイル交換直後はアイドリングするのが基本ですが、ここに問題ありです。
アイドリングでは十分にオイルが循環しないばかりか、油圧も不足気味です。
つまり、低い油圧で押されるオイルは新しいフィルターを通過するのに余計な時間が掛かるわけです。
またオイルラインにはフィルターから押し出されたエアが噛んでしまい、ヘッド・メタル部分へのオイル供給がストップしてしまうんですね。
さらにサイドスタンドでのアイドリングは、オイルポンプがエアを吸ってしまう危険性があります。
参考として、ドゥカティではオイルフィルターが下向きにセットされていることから、オイルをフィルターに充填して交換します。
またスーパーバイク系では、オイルパンがピラミッド状になっており、いかにバンクしようとも安定してオイルポンプが稼働するようになっています。
しかし12Rは横向きであり、オイルを充填しての取り付けは不可能です。
ですから、せめてオイル交換作業に取りかかる前に新品のオイルフィルターに新しいオイルを満たしておくと良いでしょう。(馴染ませるわけです)
取り付けの際は、そのオイルをボトルやジョッキに戻せば良いわけですから、無駄にもなりません。
デイトナのフィルターが不評のようですが、それは誤解だと思います。
高い濾過性能が売り(真偽のほどは・・・)の同製品は、フィルターの紙質が細かい、もしくは、表面積が大きい訳ですから、当然のことながら初期の負荷も高くなってしまうわけです。
馴染んでしまえば、ほぼ問題ないモノと思われます。
オーナー自身で交換される際は、是非以下のことを試してみてはいかがでしょう?
1 フィルターにオイルを注いで、繊維にオイルを染みこませる。
2 リアスタンド(レーシングスタンド)を使用する。無ければ、アイドリングする間だけでも、サイドスタ ンドにブッロク等をはさんで、出来るだけバイクを垂直にする。
3 オイル交換後の長いアイドリングは避ける。
また、ディーラーでオイルプレッシャーセンサーを点検してもらってください。
センサーが不良であれば、以上のすべては全く無意味ですから・・・。
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